調整委員インタビュー④ 日本大学医学部附属板橋病院
血管外科 部長 前田 英明 先生

日本大学医学部附属板橋病院
血管外科 部長 前田 英明 先生

前田 英明先生
①本研究の意義や本研究に期待することをお聞かせください。
 治験では有効性や安全性に問題がなくても実臨床で問題が起こることもあります。その点を踏まえると、実臨床でも効果、安全性を検討することは大変重要なことです。
 本試験薬であるリバーロキサバンは第Xa因子に作用する薬剤であり、ワーファリンと比較して食事制限がないという利点があるため、これまで納豆や青野菜など人間にとって必要な食品の制限があった方には福音となります。
当院ではDOAC 3剤の治験全てに参加しており、J-EINSTEINにも参加しましたが、その際は症例数が少なかったので、目標症例数1,000例の本研究には期待をしています。

②先生が本研究の参加医師でしたらどのような患者様を対象として登録を進められるかお聞かせください
 安全性を第一に考え、まずは管理困難な高血圧や出血の合併症が過去に起きていたかをチェックします。患者さんを選ぶのではなく、この患者さんは安全面から避けようといったイメージを持つことが大切であると考えます。
 危険因子を持つ患者さんはワーファリンでコントロールするため、それ以外の患者さんには積極的に本試験薬を使用すると思われます。

③参加施設の先生方へメッセージをお願い致します。
 積極的に治療に関わっていただきたいと考えております。超音波やD-dimer、可溶性フィブリンなどあまり侵襲が大きくなく経済的負担も大きくない検査については積極的に行うことで、潜在性の深部静脈血栓症が近位型に進展しないようにし、患者さんの背負うかも知れない重荷をといてあげればと思います。