月別アーカイブ: 2017年10月

成功事例の紹介② 川崎市立川崎病院 血管外科    和多田 晋 先生

川崎市立川崎病院 血管外科 和多田 晋 先生
kawasaki

①川崎市立川崎病院の紹介
・川崎市川崎区の中で一番大きな病院である。
・病床数は740床、年間の手術件数は
 約6,000件であり、医師は200人以上
 在籍している。

②血管外科の紹介
・血管外科と心臓外科が分かれており、
 血管外科の年間の症例数は300例程ある。
・どの循環器疾患をどの診療科で治療するかの
棲み分けがしっかりとされており、下肢の疾患に関しては全て血管外科が担当し、循環器内科は
胸腔内の疾患のみを担当している。

VTEに関する診療体制
・循環器内科は呼吸循環器管理が必要な急性肺血栓塞栓症のみ担当し、呼吸器症状のないVTEに
 関しては、血管外科が担当している。
・血管外科におけるVTE患者は、年間30例以上はいると思われる。

④症例登録状況
・当院では前任の責任医師のもと、4月から登録開始となったが、登録がないまま5月に
 責任医師交代となり、交代の手続きのため事務局担当者の訪問があった。
・事務局担当者の訪問を機に登録を開始し、現在順調に9例まで登録している。
・先日、目標症例数を10例増やし、今後も積極的に登録を進めていきたいと考えている。

⑤症例登録がスムーズな理由
・診療科ごとの明確な役割分担があるため、対象症例が血管外科に集まる流れとなっている。
・臨床研究支援室の協力が非常に心強い。7年前に発足し、2年前からスタッフが充実して
 しっかりとした体制となった。本研究では、EDCの代行入力を行っている。

⑥同意取得、取得後の流れ
・対象患者に説明し、了承を頂けたら研究支援室スタッフが再度説明する。その後、同意取得し、
 臨床研究支援室スタッフがEDC登録し、代行入力を行うため、自分の負担がほとんどない体制と
 なっている。
・大学病院等の大きな病院であれば、このような支援の体制は取れるのではないか。参考にして
 頂きたい。

⑦質疑応答
Q:当院では、治験は支援スタッフの協力を得られるが、臨床研究は協力を得ることができない。
  事務局から支援を受けることはできるか。(金沢医療センター 遠藤先生)
A: 本研究は、医師主導の臨床研究であり、大変限られた予算で実施しているため、各ご施設へ
  支援を手配する予算がない。大変恐縮ではあるが、少ない研究費の中から、各ご施設で
  代行入力者等手配を頂きたい。(事務局)

先生への支援を充実させる為の環境を提供できず、申し訳ない。研究費の中から代行入力者を
リクルート頂きたい。施設によって体制は異なり、同意取得から入力まで、全て医師一人で
実施している施設もあれば、支援体制が充実している施設もある。引き続きご協力頂きたい。
(平山先生)

成功事例の紹介① 日本赤十字社旭川赤十字病院    上山 圭史先生

日本赤十字社旭川赤十字病院 上山 圭史先生
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旭川赤十字の紹介
・現在の実際の病床数は約420床で、医師数は
 120名である。
・日本で最北端のドクターヘリの基地となって
 おり、救急救命センターがある。

心臓血管外科の紹介
・現在、主に3人の医師で年間300例超の
 心臓血管・呼吸器の手術を行っている。

TE患者が多い理由について
・脳外科と整形外科の手術を行う患者が多く、消化器系の癌の患者も増加傾向であるので
 VTE患者が多い。
・ドクターヘリの基地病院のため、救急の患者で高エネルギー外傷があるDVT患者が多い。
・DVT、PEは合計年間50-70症例であり、そのほとんどが心臓外科に紹介される。

術中の肺梗塞を防ぐためのガイドラインについて
・12年前に、下肢静脈瘤があった患者が脳外科手術中に肺梗塞を起こし死亡した事例が発生した。
 それ以来、下肢静脈瘤がある症例は全例手術前に麻酔科がチェックし、心臓外科の外来を
 受診するようになった。その結果、心臓外科外来だけでは手が回らなく混乱したため、
 下肢静脈血栓予防ガイドラインが作成された。
・ガイドラインは全18ページであり、診療科ごとに、患者のリスクごとに分けた治療法が
 記載されてある。ガイドライン運用後、整形外科では下肢手術のため術中は困難な2例の
 術中肺梗塞例を認めているが、それ以外の手術では術中肺梗塞を認めた症例はいない。

症例の紹介
・脳出血を起こし、その後下肢静脈と肺動脈に血栓を認め、イグザレルト内服で治療を開始した
 症例がいる。
・脳外科の手術施行患者に適応のある薬剤がないため、イグザレルトが脳外科の手術施行の症例に
 対するVTE予防の適用となることを願っている。

最後に
・現在、本研究に12例登録しており、そのうち出血合併症で1例中止している。
・肺梗塞によるショックでPCPS使用し、離脱後にイグザレルトを使用した症例も1例登録して
 いる。
・秋になり症例が少なくなり登録のスピードはが鈍ってきている。今後、NOACに高リスク患者の
 術後血栓予防の適応が追加されることを願っている。

質疑応答
Q:医師3人の診療体制で、研究の同意取得後から登録まで行うことは大変ではないか。
  (平山先生)
A:研究参加への同意説明で断られたことはない。入院患者さんは少し心配される場合があるが、
  外来の患者は比較的スムーズに了承頂ける。(上山先生)

⑧発表に対するコメント
紹介頂いた脳出血の症例のように、当院でも脳血管疾患の症例のVTEをどのように予防できるかを
検討している。IPCが有効であると考えられるが、どの病院もIPCの台数が少ないためもどかしさを
感じる。今後、IPCについても考えていかなければならないと感じた。(孟先生)

脳外科関連疾患のVTE患者はかなり多い。予防としての薬物療法が難しいが、脳外科関連疾患の
VTE患者の血栓は非常に大きく、当院では4例程1~2週間目のリハビリの歩行時に心肺停止にも
至るケースがあった。今後、このような症例の治療について検討する必要がある。患者に十分な
インフォームドコンセントをとった上で、適切にDOACを使用し、治療することが良いのでは
ないか。ただし、強化療法を実施するのは難しいかもしれない。(福田先生)

今回紹介した症例はイグザレルトで強化療法を行い、特に合併症等なく、血栓も消え問題は
なかった。(上山先生)

脳神経の医師によると、出血は怖くないので心房細動の患者でも早めに抗凝固療法を始める
とのこと。患者さんにとってどのような治療がベネフィットとなるのかは、今後検討して
いかなければならない。(平山先生)

J’xactly Study第二回全国会議の録画映像掲載のお知らせ

2017年10月20日、「第二回J’xactly Study全国会議」が名古屋で開催され、研究概要、
研究進捗状況、症例登録の成功事例をご発表いただきました。

ご参加いただきました先生方、誠に有難うございました。

《研究代表者挨拶》
日本大学医学部 内科学系循環器内科学分野 主任教授 平山 篤志 先生

《医師主導臨床研究実施計画書の紹介》
日本大学医学部 内科学系循環器内科学分野 准教授 奥村 恭男 先生

《研究の進捗報告》
J’xactly Study 研究事務局(メビックス株式会社)

《成功事例の紹介①》
日本赤十字社旭川赤十字病院 上山 圭史先生

《成功事例の紹介②》
川崎市立川崎病院 和多田 晋 先生

《閉会の挨拶》
弘前大学医学部附属病院 福田 幾夫 先生

J’xactly Study第二回全国会議 開催

J’xactly Studyご参加の先生方

 謹啓

 秋涼爽快の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。

先生方の多大なご尽力により、登録症例数が500例に近づいてきました(目標症例数1,000)
改めまして、日々のご研究、臨床の中、大変ご多忙のところ、本研究へご尽力いただいて
おりますこと、厚く御礼申し上げます。

先般、J’xactly Study第二回全国会議を開催し、研究概要、研究進捗状況に加え、以下の2名の
先生より症例登録の成功事例をご紹介いただきました。

 日本赤十字社旭川赤十字病院 心臓血管外科 上山 圭史 先生
 川崎市立川崎病院   血管外科   和多田 晋 先生

発表者毎の録画映像につきましては、準備が整いましたら掲載いたします。

J’xactly StudyVTE患者における新規経口抗凝固薬のレジストリ研究としては国内最大規模と
なります。新規経口抗凝固薬の実臨床における有用性を示すエビデンスを日本の臨床医の
先生方から発信することは大変意義深いものと考えております。

ご参加いただいております先生方のご尽力により、登録症例数も順調に推移しております。
改めまして厚く御礼申し上げます。引き続き、目標症例数1,000例達成に向け、何卒、
ご協力いただきますようお願い申し上げます。

略儀ながら取り急ぎ書中にて御礼を申し上げます。

謹白
201710月吉日

J’xactly Study研究代表
日本大学医学部 内科学系循環器内科学
平山 篤志

J’xactly Study第二回全国会議の様子

開会の挨拶

日本大学 平山 篤志先生

研究代表者
日本大学 平山 篤志先生

研究実施計画概要の説明

日本大学 奥村 恭男先生

事務局統括
日本大学 奥村 恭男先生

症例登録の成功事例紹介

日本赤十字社旭川赤十字病院 上山 圭史先生

日本赤十字社旭川赤十字病院
上山 圭史先生

 

川崎市立川崎病院 和多田 晋 先生

川崎市立川崎病院
和多田 晋 先生

会場風景

会場風景

閉会の挨拶

弘前大学医学部附属病院 福田 幾夫 先生

調整委員
弘前大学医学部附属病院 福田 幾夫 先生

J’xactly Study第一回全国会議の録画映像掲載のお知らせ(先生毎)

発表された先生方の録画映像のご用意ができましたので掲載いたします。
《研究代表者挨拶》
日本大学医学部 内科学系循環器内科学分野 主任教授 平山 篤志 先生
《医師主導臨床研究実施計画書の紹介》
日本大学医学部 内科学系循環器内科学分野 准教授 奥村 恭男 先生
《研究の進捗報告》
J’xactly Study 研究事務局(メビックス株式会社)
《成功事例の紹介①》
公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院 循環器内科 畑 玲央 先生
《成功事例の紹介②》
医療法人社団東光会戸田中央総合病院 心臓血管センター内科 木村 揚 先生
《閉会の挨拶》
三重大学大学院医学系研究科 循環器・腎臓内科学 准教授 山田 典一 先生

J’xactly Study第一回全国会議の録画映像掲載のお知らせ

2017年9月29日、「第一回J’xactly Study全国会議」が大阪で開催されました。

研究概要、研究進捗状況、症例登録の成功事例をご発表いただきました。

ご参加いただきました先生方、誠に有難うございました。

今回の全国会議全体の録画映像を掲載いたしました。
なお、発表者毎の録画映像につきましては、現在掲載準備中でございますので、
ご用意ができましたら改めて掲載させていただきます。

今後ともJ’xactly Study研究にご協力賜りますようよろしくお願いいたします。

成功事例の紹介② 東光会戸田中央総合病院 木村 揚 先生

医療法人社団東光会戸田中央総合病院
心臓血管センター内科 木村 揚 先生

20171002_03①戸田中央病院の紹介
・総合病院なので、まんべんなく各科があり、
 VTEに関係する外科系の科が多い。
・外科系・内科系ともに入院時にスクリーニング
 にかける。フローチャートのチェック項目に
 チェックをし、必要な場合には予防を行って
 いる。

②現在の登録状況について
・週に1例ほどのペースで登録を進めている。
・現在登録している8例のうち3例の診断科は
 整形外科と、整形外科での症例が多い。 

③症例の取りこぼしをしないための工夫
・目標症例達成まで、登録するすべての症例を研究担当者が主治医として引き受ける。Studyを
 理解しているため、患者様との信頼関係、説明、同意、経過観察のすべてにおいて有利と
 考えている。担当医は負担が減るために喜んで持ってくる。

・整形外科や泌尿器科では術前にエコーを実施し、DVT検出のための取り組みを強化している
 (7年前と比べると3倍超のエコー実績)。

・整形外科において、術後のスクリーニングでVTEが見つかったら循環器内科に連絡が来る等、
 院内で連携して行っている。

・D-dimer上昇例のほか、術前後のハイリスク症例に対して下肢静脈のスクリーニングエコーを
 行っている。ほぼ全てのVTE例に循環器内科が介入している。下腿の微小血栓においても、
 積極的な抗凝固療法を行っている。

 ④平山先生よりコメント
システマティックにスクリーニングをしていることと、木村先生自ら積極的に症例を引き受けて
いるから症例が伸びていると思われる。内科が主導してスクリーニングする施設も増えていると
思われるので、参考にしてご協力をお願いしたい。

成功事例の紹介① 倉敷中央病院 畑 玲央 先生

公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院
循環器内科 畑 玲央 先生

20171002_04①倉敷中央病院の特徴
・病床数が1,166床で、救急車の受け入れ数9,465件)が多く、必然的に緊急 ・入院患者が
多い。 また、医師の在籍数(482人)も多い。

・循環器内科と心臓血管外科で心臓病センターを構成。循環器内科には、医師が33名在籍しており、多数のインターベンション治療を行っている。

・心不全や肺塞栓症の症例が近年は増加傾向。PEの入院症例数の推移を見ると、重症例数は
それほど変化がないが、Non-massiveに
カテゴライズされる入院患者様が増加傾向。

②効率よく症例数を増やすために
・他の医師へ協力を依頼する際には臨床研究の意義を伝える。
・医局では同時に複数の臨床研究を実施しているので、同意取得は自ら行うことを予め伝える。
 (Win-Winの関係を意識)
・候補患者がいた際は連絡してもらうよう事前に依頼。また、自身でも入院患者を日々確認。

③同意取得時に心がけていること
・臨床研究に拒否感が強い方もいるため、挨拶や共感的姿勢を示す。
・疾患や治療の必要性についてきちんと説明する。
・侵襲的な検査がない研究であることを強調して伝える。

④同意取得後に心がけていること
・入力操作が習慣になると負担にならないので、可能な限り対象患者が入院中にデータ入力を
 行う。

⑤最後に
・何のために研究を行っているのかを振り返る。リバーロキサバンの有用性を確認することで、
 将来の治療に役立つという想いをもって取り組んでいる。

⑥質疑応答
Q:(平山先生)基本的には畑先生がすべて実施されているのか?また、主治医からの紹介だけで
  なく、畑先生ご自身も探されているのか?
A:様々な研究が同時に行われており、他の先生方からの協力が得られにくいため、基本的には
  患者選定も含め自身で行っている。

J’xactly Study第一回全国会議 開催

J’xactly Studyご参加の先生方

謹啓

秋涼爽快の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。

先生方の多大なご尽力により、登録症例数が400例に近づいてきました(目標症例数1,000例)。改めまして、日々のご研究、臨床の中、大変ご多忙のところ、本研究へご尽力いただいておりますこと、厚く御礼申し上げます。

先般、J’xactly Study第一回全国会議を開催し、研究概要、研究進捗状況に加え、以下の2名の先生より症例登録の成功事例をご紹介いただきました。

 公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院
    循環器内科 畑 玲央 先生
 医療法人社団東光会戸田中央総合病院
    心臓血管センター内科 木村 揚 先生

J’xactly StudyはVTE患者における新規経口抗凝固薬のレジストリ研究としては国内最大規模となります。新規経口抗凝固薬の実臨床における有用性を示すエビデンスを日本の臨床医の先生方から発信することは大変意義深いものと考えております。

今後は以下の日程で第二回全国会議を予定しております。
 《第二回全国会議 詳細》
  第58回日本脈管学会総会期間中
  日時   :2017年10月20日(金) 19:00~
  場所   :JPタワー名古屋ホール&カンファレンス
  プログラム: 1) 本研究の概要等
         2) 研究の進捗
         3) 症例登録の成功事例

何卒、ご参加賜りますようお願い申し上げます。

ご参加いただいております先生方のご尽力により、登録症例数も順調に推移しております。改めまして厚く御礼申し上げます。引き続き、目標症例数1,000例達成に向け、何卒、ご協力いただきますようお願い申し上げます。

略儀ながら取り急ぎ書中にて御礼を申し上げます。

謹白
2017年10月吉日

J’xactly Study研究代表
日本大学医学部 内科学系循環器内科学
平山 篤志

J’xactly Study第一回全国会議の様子

開会の挨拶

日本大学 平山 篤志先生

研究代表者
日本大学 平山 篤志先生

研究実施計画概要の説明

日本大学 奥村 恭男先生

事務局統括
日本大学 奥村 恭男先生

症例登録の成功事例紹介

戸田中央総合病院 木村 揚先生

戸田中央総合病院 木村 揚先生

 

倉敷中央病院 畑 玲央先生

倉敷中央病院 畑 玲央先生

会場風景

会場風景

閉会の挨拶

三重大学 山田 典一先生

調整委員(兼プロトコール責任者)
三重大学 山田 典一先生