調整委員インタビュー③ 陽だまりの丘 なかむら内科 院長 中村 真潮 先生

陽だまりの丘 なかむら内科 院長
中村 真潮 先生
中村真潮先生 ①本研究の意義や本研究に期待することをお聞かせください。
 VTE治療におけるリバーロキサバンの有効性や安全性に関するデータは多数ありますが、ほとんどは海外で実施された研究によるものです。また、日本でも臨床研究は行われていますが、少数例でのデータしかありません。一方、リバーロキサバンの日本での用法用量は海外のものとは異なっています。このため、日本のVTE患者に対するリバーロキサバン治療の有効性や安全性の十分なデータが必要とされています。
 これまでのVTE治療はWFによる抗凝固療法が主流でしたが、近年、VTE患者の多くで新しく登場したDOACが使用されています。DOACの一つであるリバーロキサバンを用いて、日本で承認を得ている用法・用量で有効性や安全性を検討する本研究は、非常に意義の深い研究であると考えています。

②先生が本研究の参加医師でしたらどのような患者様をターゲットとして登録を進められるかお聞かせください。
 本研究は、実臨床下のさまざまな患者をエントリーする登録研究であるため、リバーロキサバンが投与された全てのVTE患者がターゲットになります。ただし、忙しい日常臨床の中で再発や出血のリスクの高いVTE患者の情報管理を行うことは容易ではありません。よって、まずはリスクの低いVTE患者を登録ターゲットとし、徐々にリスクの高い患者のエントリーも視野に入れて進められてはいかがでしょうか。

③参加施設の先生方へメッセージをお願い致します。
 これまでは私たちは、海外のデータに頼ったVTE治療を行ってきました。しかし、海外と比べて日本人の体格や体質、さらに経済状況等は大きく異なります。このため、日本人や日本の医療環境に適したVTEの治療法を確立する必要があります。
 本研究の意義にご賛同された一人一人の先生方が主役として活躍いただき、日本人エビデンスの構築を推し進めていただけましたら幸いです。