調整委員インタビュー② 
独立行政法人 桑名市総合医療センター
桑名東医療センター 副病院長 山田 典一 先生

独立行政法人 桑名市総合医療センター 桑名東医療センター
副病院長 山田 典一 先生

山田 典一先生 ①本研究の意義や本研究に期待することをお聞かせください。
 治験の際には選択基準・除外基準が厳しく設定されており、その厳しい基準をクリアした患者様しかエントリーができません。
しかし、実臨床下ではその基準に合致しないVTE患者様も多数いらっしゃいます。本研究では実臨床下での患者様をエントリーするため、実臨床に沿ったリバーロキサバンの有効性・安全性に関するデータを創出することができると考えております。
 また、VTE診断時に有しているリスクごとに再発の頻度が異なるのがVTEの特徴ですが、日本ではそのデータがほとんどありません。本研究では、試験デザインとして最低でも1年半観察を行うため、リバーロキサバンの処方の有無に限らずVTEと診断された患者様の予後を観察することができますので、抗凝固薬治療を中止した後のリスクごとの再発についても本研究では明らかになるのではないかと期待しています。

②先生が本研究の参加医師でしたらどのような患者様をターゲットとして登録を進められるか
 お聞かせください。

 血栓の部位や量、重症度により幅広い症状を有している患者様がいらっしゃるのがVTEの特徴です。そのような様々な背景因子を持っている方を登録することが実臨床下におけるリバーロキサバンの有効性・安全性を検証するためには必要だと考えております。その点を踏まえますと、腎機能が高度に障害している方や出血のリスクが極めて高い方、妊婦等、リバーロキサバンの処方対象から外れる方でなければ積極的にエントリーいただきたいと考えております。

③参加施設の先生方へメッセージをお願い致します。
 現状、日本人のVTEに関するデータは海外と比べると不足しております。一方でVTE患者数は欧米並みに増えてきておりますため、日本人におけるVTEに関するデータの必要性は年々益々高まってきます。日本におけるVTE患者様に対するリバーロキサバンの有効性・安全性に関するデータはございますが、症例数も少なく、限られた対象群でしか検証されておりません。本研究では1000例を超える患者様での有効性・安全性の検証となりますので、より確かな実臨床に沿ったデータを創出することができると考えております。日々のご診療でご多忙の中お手数をお掛けしますが、ご協力のほどよろしくお願いいたします。